2010.01.16
自分勝手

 

 

 

世の中には自分なりに

勝手に結論を持ってしまう人がいます。

 

「そんなことなどOKしてくれるはずがない...」

 

「そんなお金を貸してくれるはずがない...」

 

だから、結論どおりの結果しか出ません。

 

あなたもそのような誤りを犯してはいませんか?

 

 

ある野球の試合で

代打で起用された選手が

思い切って打った一撃は

ショートへのゴロでした。

 

打った彼は

「あー、取られる、ダメだ」とあきらめ

走るのをやめてしまいました。

 

ところがショートは

取ったつもりのボールをグローブからポロリ。

 

あわててその球を拾おうとしてまたポロリ。

 

これを見た打者は

あわてて再び走ろうとしましたが

時すでに遅く

簡単にアウトになってしまいました。

 

タイミング的には

余裕を持ってセーフになれましたが

打者は勝手にもうアウトと判断し

走るのをやめたため

当然アウトになってしまったのです。

 

観客席から一斉にブーイングが起きました。

 

プロとして実にお粗末なプレーでした。

 

その後たて続けに

4人が四球で出塁しましたので

彼のお粗末なプレーは高価な過ちになりました。

 

 

私たちは日々、勝手に結論づけて

行動している例が多いようです。

 

勝手に否定的に決めたり

その逆に勝手に肯定的に捉える習慣のおかげで

せっかくのチャンスをつかみ損ねたり

大きな危険に飛び込んでしまうようです。

 

これは

自分なりに事態を分析、検討、思考する習慣を

スキップするための悲劇であり

消費者を無視した行動になります。

 

たとえば

弁当宅配サービスは

事前注文以外は、訪問日を指定され

その日訪問した時に

お客様が自分で見て決めるというパターンがあります。

 

見て決めるということは

お客様が自分なりに決めるということですが

担当者によっては

今までのその顧客の選択具合から

今手持ちの弁当はその顧客に向いていないと判断し

そのお客様をスキップしてしまおうとすることがあります。

 

一応その旨が会社に連絡が入りますので

「ダメダメ!

決めるのはあなたではなくお客さんだから!

とにかく行って!」という指示になります。

 

 

勝手に決めつける弊害のうち

とりわけ肯定的に結論づけする場合

簡単にビジネスを危険に巻き込むことになりますので

十分気をつけたいものです。

 

たとえば

「この商品は売れ筋で

○○さんも喜んでいますよ」とアプローチされると

勝手に儲かるものと結論づけ

後先考えずその商品取り扱いにゴーサインを出し

おかげで大損するケースがあります。

 

最近では

いわゆるファイナンシャルアドバイザーを

名乗る人々の口車に乗り

損をさせられた人が続出しているようで

騙す方も騙す方で

騙される方も騙される方...という感じがします。

 

自分なりに考えてから

行動するようにしたいものです。

 

先日、あるクライアントさんに

彼の店が入っている大家さんから

夜逃げした店の酒類販売許可証をつけて渡すから

あの夜逃げした店のスペースを借りませんか?という

誘いがあったそうです。

 

彼の現在の店舗サイズは

計画より大きなスペースで

そのスペースしか空いていなかったため

やむを得ずその場所で手を打ったのですが

オファーされた他のスペースは

初期計画の規模に近いサイズで

まして酒類販売許可証の所得も考えていた最中でしたので

このオファーは渡りに船の好条件です。

 

彼の気持ちは舞い上がってしまったようです。

 

しかし、事態を冷静に考えれば様々な問題があり

かつ、新たな店への移転費用も相当かかるはずで

自分なりに考えたおかげで

危険な事態に飛び込まなくてすみました。

 

やれやれでした。

 

 

私たちが

勝手に好意的に結論づけする例としては

大きな会社だから

身なりが立派だから

儲けた例が多いから

○○が持ってきた話だから

あなたを見込んでと頼まれたから

などなど、色々あります。

 

勝手に決めつける習慣は

自分なりに考える習慣を

スキップする点が問題になります。

 

経営で重要なことは

常に選択肢を用意する習慣です。

 

選択肢を用意するからこそ決断の意味もあります。

 

勝手に決めつける習慣は、全力投球の姿勢を失います。

 

できっこない

駄目に決まっている

それでは本腰を入れて取り組むことができません。

 

全力投球しない仕事に

成功を期待することはできません。

 

ビジネスは

各種選択肢の中から計算されたリスクを

積極的にとることにより成長を実現できます。

 

早い話、100%確実でないことがらに対して

当たって砕けろの姿勢で取り組む姿勢があるからこそ

より多くのチャンスをものにできるのです。

 

自分なりに考え

もうこれしかないという選択肢にたどり着いたら

後はがむしゃらに行動するより手はないのです。

 

しかし、そのようなプロセスを

スキップした思いだけの行動では

自分を納得させる力に乏しく

おかげで真の力を発揮できずに

終わってしまうことになります。

 

勝手に決めつける習慣は

冷静に事態を眺める習性を奪います。

 

動いている世の中

刻々変化する消費者の好み

技術革新が

世の中を一挙に変えてしまう世の中で

冷静に事態を観察する習慣を失えば

ビジネスは簡単に混乱に陥ってしまうのです。

 

勝手に決めつける習慣は

自分の都合優先で相手を無視したやり方ですので

コミュニケーションが成立しにくくなります。

 

つまり

ビジネスに成果を出すことができなくなるのです。

 

 

これ以上やっても無駄...

いくら頑張ってもしょせんこの程度...

いくら頑張っても

経済環境が悪ければ頑張るだけムダ...

資金力のないビジネスができる規模などたかがしれている......。

 

あなたは勝手に自分のビジネスの先行き

運命を

決めつけてはいませんか?

 

すると、せっかくのチャンスを失い

または、とんでもない危険に巻き込まれてしまいます。

 

そのあたりの現実をはっきり認識し

その上で

自分なりによく考える習慣をつけることを

お勧めいたします。

 

藤田 誠司 | コメント(0) | 2010年1月16日 05:55

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