2009.12.23
コンサルタント

 

 

自分自身の経営について見直すことは

他人の経営を見ることよりも難しいことかもしれません。

 

コンサルタントと呼ばれる人々も

その意見を聞いていると

かなり独善的であることが多いものです。

 

そうです。

私自身も、自分の立場から

アドバイスしていることが多々あることに気づいています。

 

経営者の多くが

自分の都合を通すことが経営と

勘違いしているところがあります。

 

ある経営者と

コンサルト以前の打ち合わせをしていたときのことです。

 

 <Q>:コンサルタントの助言を聞いてみたいですか?

 

 <A>:もちろん。集客に行き詰まっている現在

第3者のアドバイスはありがたいものです。

 

<Q>:売上を創ることに特化した総合的な

当社の定価では月額2万円くらいの料金となる

技術を提供しようと考えていますが、どうでしょう?

 

<A>:私は、今、ある企業に助言しているんですよ。

頼まれましてね。

 

 

自分で、自分自身をコンサルタントする時

一に気をつける点は

『人は、誰でも、他人から教わりたくない』ということです。

 

少なくとも、数千人の経営者に接してきた経験から言っても

『教わり上手』な人に出会ったことはありません。

 

コンサルタントと呼ばれる人々ほど

人から学ぶことは下手かもしれません。

 

前述の経営者は

「これ以上は

世の中の景気が良くなるのを待つしかないと思っているんだけれど...」と

ちょっと自信なげにつぶやいていました。

 

雑誌、テレビなど、マスコミにも登場する

この経営者は、私の見る限り

たくさんの打つべき手だてはあるのですが

ご自身は

『バブル時代の殿様商売』を未だに夢見ている状況であります。

 

売り手市場なのか、買い手市場なのかの差は

すべてが逆転すると言っても良いほどの差であることを

まだ、この経営者は知らないのです。

 

「オシャレにしていたい」と、その方は言っておりました。

 

この思考力が意味するものは

経営側の「趣味」で運営していると言うことです。

 

つまり、それは、お客様の立場に立っているのではなく

『商売』とはいえない状態の精神構造なのですが

かつては

それで多大の利益を上げてきた時代があったことが

異常と考えるべきであります。

 

日本の多くの企業、いえ、銀行から製造業も含めて

日本経済全体が

『土地転がし』の上で成り立ってきた50年と考えます。

 

土地という固定資産の値上がりを基準として

いわば

『土地本位制』とでも言ったほうがよい経済構造であったため

国家の財政基盤まで崩れ去ってしまったのです。

 

ゴルフ場経営も、そごうデパートの経営も

進出した土地が値上がりすることを前提に組み立てられており

会員制ゴルフ場においては

その土地を会員権という形で分譲しているようなもので

その、本来提供すべき商品である『サービス』について

認識すらできていない経営者が、多数を占めている状況です。

 

『お客様の望むものを

如何に

タイムリーに

良質で安く

提供できるか・・』

 

これが、商売人の考えるべきことです。

 

前出の経営者は

まず「お客様という概念を認識できるようにすること」

その次に

「如何にお客様の希望に添うことができるかを学ぶ」ことであります。

 

今までの人生は、ただの幸運であり

思い上がりであったことを、まず認識すべきであると思います。

 

 

では

自分で、自分の経営をコンサルするには?

 

 

まず、自己の都合を排除することです。

 

例えば、小売店舗においては

在庫管理がしやすいように

商品を陳列している店や

店番から商品が見やすく配置した店舗が多く見られます。

 

それらの店の経営者は

「これが当たり前」と思っている節があるのですが

本来は

『お客様が見やすい陳列

選びやすい陳列

おもしろく楽しめる陳列』が

当然考えられるべきことなのに

管理の手間、万引き被害の防止を

優先してしまっているのが現状と思われます。

 

本来は、お客様の都合を優先し

管理や万引き防止の方策を工夫して

解決すべきと考えます。

 

話を戻して、前述の経営者について言えば

経営者の方向として

全く逆を向いているのです。

 

つまり

『如何に経営側の都合を押し通せるか』と

日夜努力しているわけで

これは、『殿様商売』がまかり通る

『売り手市場』の時のみの特殊な状況でしか通じません。

 

「如何に、お客様の希望を叶えることができるか」

これが本来の商売であり

この心構えができていれば

行き詰まっているように感じている経営者の人々も

「やれることが、これほどあったのか」と思えるはずです。

 

私自身も

もっと教わることも多いですし

今後の経営の課題は山積みですが

ひとつづつクリアー出来るのが

本当に楽しみです。

 

 

 

藤田 誠司 | コメント(0) | 2009年12月23日 07:14

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